日曜日。
今日もまた、誰とも話さなかった。
ん、ちがった。映画館の帰りに寄ったスーパーのビール売り場にいた、くじびきのお姉さんと話したな。残念ながら、2回ひいたくじはどちらもハズレだったけれど。

-----------------

見た映画は「20世紀少年」。
いくら荒唐無稽でも、中高年がカッコイイ映画なので楽しい。トヨエツがえらく素敵なのだ。中村嘉津雄もいい味だし、チョイ役だけど小松政夫がすごく楽しそうにしているのもよかった。

映画の感想はさておき、久しぶりにT-REXを聞きたいと思ったのだけど、手元にない。洋楽のレコードやCDは殆ど元夫のものだったし、結婚したときには若くて貧乏だったから、ふたりで重なって持っていた物は中古屋に売ってしまってた。あーあ。わたしのT-REXだってあったのに。わたしのストーンズだって、わたしのヴェルヴェットアンダーグラウンドだってあったのに。

---------------------

こういうのって小さなことだけど、きっとこれからもいろいろ感じるんだろうな。
不便だな。つまんないな。

まだ離婚をはっきり決意していなくて、呆然と混乱のさなかにいて何もわからないときに、公的機関の法律相談に行ったことがある。
1時間5000円払って弁護士と話をした。わたしと同世代の男性弁護士に「ま、話し合いの時には、あまり欲張らないことですな。」と言われた。わたしは何もお金の話をしていなかったのに、だ。カチンときた。うつむいてめそめそ泣いてばかりの頃だったけど、その一言に背筋が伸びた。戦闘モードになった。切り口上で言った。
「欲張るって何ですか?お金ですか?わたし、自分で生活していけるだけの収入がありますし、わたしたちが離婚に至ったのは、片方だけの責任だけとも思いませんから慰謝料も考えておりません。マンションは夫に渡したいと思っています。それで、わたしが何を欲張るんでしょう?」
いろいろ経験した今になって思えば、離婚で弁護士を間に入れて話し合うのは大抵経済的なことなので、そういうふうに言ったのだとわかるけれど、その時は本当に腹が立った。お金のことじゃなくて、心のことでわたしは迷っているんだ!って思ったし、なんだかどうしようもなくプライドが傷つけられた気がした。それまでわたし、自分にたいしたプライドなんてないと思っていたけれど。
結果的に、あの弁護士がわたしに離婚を決意させたのかもしれない(笑)。
離婚って、そういう具体的なことなんだ!って気づかされた。

そう。あの日は、春の初めの生暖かい雨の降る日だった。
気弱にならないように、気が晴れるように、新しい、明るい春色のスプリングコートを買って、着て行ったんだった。
記憶がつるつると繋がって、いろんなことを思い出す。
いいことも、やなことも、あまりにもたくさんありすぎる。
あれからもうすぐ1年。
離婚からもうすぐ1ヶ月。
ちょっとずつ、こころを整理して記録していこうかな。

コメント

Ilex_rotunda
2009年2月16日20:59

こんばんわ。妻が弁護士という言葉を出してきたときに、偶然に見かけた無料法律相談。
私もいきなりお金の話ばかりされて、しっくりこなかったですね。
ほんと離婚って具体的なドロドロ感が伴うんだなってことだけはその時に知りました。
婚姻には法が絡んでたんだな~、悩みはもっと別のドロドロなんだけどな~って。
・・・と、なんでもないコメントになってしまいましたが。

蜜桃
2009年2月16日21:59

こんばんは。
今にして思えば、弁護士はお金の話の決着つけるのがメインの仕事だからさー、ってわかるのだけど、あの時は本当にむっとしましたねえ。「わたしが聞いて欲しいのはそんなことじゃないのよ!」って思ったけど、カウンセリングじゃないですものね(苦笑)。金額だのモノだの、具体的な決着をつけていくうちに、つられてこころの決着もついていくのかもしれないですね。そんなドロドロの両輪を引きずって進んでくの、疲れますよねえ。

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索