日記のタイトルは、井上陽水のふるい曲のタイトル。
子供の頃からとても好きな曲だった。
引越しを考えるとき、必ずこの歌の歌詞を思い出す。

「ねぇ君、ふたりでどこへ行こうと勝手なんだが、川のある土地へ行きたいと思っていたんだ。」
http://www.youtube.com/watch?v=9d_sh9QL3so


元夫と暮らした部屋からも川は見えた。
ちいさくて水量も少なくて、高度成長期にはドブだった川(子供の頃に近くに住んでいたから、よーく知っているのだ)。

そこを出て十数年ぶりの一人暮らしを始めた街には、ゆたかな川があった。
毎日、大きな橋を渡って仕事へ行った。少し下流へ行くと、春には川の両岸の桜並木が怖いくらいに花を咲かせた。その川に、わたしは指輪を捨てて街を出たのだ。

数日前にやってきた、このあたらしい街にも可愛らしい川がある。
川幅はちいさいけれど、水量はゆたかだ。海が近いのだ。
部屋の窓から、川面に釣り船が長閑に浮かんでいるのが見える。
窓からは、すっきり晴れた朝には、富士山まで見える。
初めて関東に住むわたしなので、最初それが富士山なのだと信じられなくて、引越しの手伝いに来てくれた友達に、しつこく確認した。
幻覚じゃない?ほんものなの?なんで見えるのよ?あんなにおおきいの?

閑話休題。川の話だった。
越してきてから毎日、川べりの道をあるいて買い物に行く。
猫があるいている。
発泡スチロールのねぎの箱に花が植えてある。
干されたすててこが川風にひるがえっている。
そこから徒歩10分ほどの場所にデパートがふたっつある。
なんだか不思議だ。
徒歩圏内には、いけすかないあたらしい高層建築や、映画のセットみたいなマンションやショッピングモールが立ち並ぶ埋立地もあるけれど、少し歩けばすててこがひるがえる街なんだと思うと安心して可笑しくなる。

たった数日で、ううん、部屋探しのために初めて来た日から、わたしはすっかりこの街が気に入っている。
ここで、あたらしく生きはじめる。
嬉しい。

コメント

かくの
2009年3月28日21:07

冬の晴れた日、僕の住むところでも富士山や秩父山脈が望めます。堂々とした富士山を見るたびに、がんばるぞ、と思ってしまいます。

Mimi
2009年3月29日11:27

蜜柑さん

新しい街の波長が、今の蜜柑さんにぴたっと合っているようで、素敵です。

たくさん新しい風と光を受けて、たくさん新しい空気を吸い込んで、たくさん新しいものを見つけてください。

ラクス
2009年3月30日0:18

【蜜柑さ~ん】

お引越し完了ですね!おめでとうございます♪
水のある風景は本当に癒されますよね。
人が海から生まれたのがわかる気がします。

蜜桃
2009年3月30日20:24

かくのさん。
わたし、未だに間近で富士山を見たことがないので、どうにも現実感がないんですよね。テレビとか写真とかでたくさん見ていて、かたちも目に焼きついていて、だから、窓から遠く見える真っ白な幻影みたいなのが「…富士山?」と思えたのだけれど、未だに現実味はないです。毎日は見えないところが、ますますあやしいかんじです(笑)。

Mimiさん。
ありがとうございます、そうなんです。波長がぴったりあうみたい。
今日も午後から、たっぷり散歩してきました。
大きな森を持つ神社から、小さな個人の庭先の社まで、とってもたくさんの神様がいらっしゃる街です。あれこれ珍しくて、楽しくてたまりません。
思いきって、来てよかった。

ラクスさん。
ありがとうございます。
わたしは昔から、海よりも川が好きなんです。
海は、あの延々と終わりなく続く波音が怖いので。
ラクスさんがアクアリウム好きなのも、やはり水の傍が落ち着くからでしょうか。

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