真夏みたいな暑さ。
エアコンをがんがんに効かせて、アイロンをかける。

昔っから、アイロンかけは好きじゃないし、苦手だ。
でも若い頃は夫のワイシャツを家で洗って、アイロンをかけていたなあ。
襟元や袖口はせっせと、もみ洗いなんかしてね。
あの頃はまだお金がなかったから、そうやって頑張ってた。
そのうちわたしが仕事に復帰して、お金に余裕ができて、時間がなくなって、
ワイシャツはクリーニングに出すようになったんだった。
そんなふうに、少しずつ少しずつ、いろんなことが変わってった。
少しずつ少しずつ、こころが離れていった。たぶん。
わたしたちの関係が壊れ去ってしまう、最後の最後の頃にいちど、思い立って彼のワイシャツを洗ったことがある。
壊れたなにかを取り戻したいって、祈るようなきもちだったのかな。
でもそのシャツは、もう、わたしの見慣れたものじゃなかった。
アイロンをかけてクロゼットにしまって、彼の帰りを待ったけど、帰ってこなかった。
ひとりのリビングで、わたしは泣いたんだ。
そんなこと、思い出した。思い出したくなんかないのに。
生活のいたるところに引鉄は、ある。

ここは我慢しないでいい場所だから、弱音を吐いておく。
思い出すと、くるしい。
思い出すと、まだ泣いてしまう。
思い出したくない。
あの、ひとりでいる時間の、胸の中がしんしんと冷えてゆく絶望的な感覚。
忘れてしまうことって、きっとできないんだろうなあ。
思い出してもくるしくなくなるまで、あとどのくらいかかるのかなあ…。


-----------------

昨夜見た夢。
お天気の午前中に、わたしは知らない街をあるいていた。
坂道の途中にある、見たことのないマンションに、元夫が住んでいることをなぜかわたしは知っていて、どの部屋かも知っていて、ぜったいに窓を見上げたりしちゃだめ、って思いながら坂を下りてゆくんだけれど、やっぱり窓を見上げてしまう。ベランダにお布団が干してあって、それに頬杖をつくようにして、元夫が煙草を吸っているのが見えた。目が合った。どうしよう。困ってしまってわたしは手を振った。元夫も手を振っている。遠くて表情はよく見えないけれど。
そこで目が覚めた。
もし現実にそんなことがあったら、わたしはどうするんだろう。
来月の夏休み、母と姉が待ってくれているから帰省しなくちゃだけれど、あの見慣れた街に帰りたくないって、今、思ってる。

コメント

かくの
2009年6月27日17:02

必ず、思い出しても笑顔でいられるときがきます。
はやく、元気になってくださいな。
心の中で応援してます。

ラクス
2009年6月27日23:56

【蜜桃さ~ん】

小さな小さな事が、これからも
トゲが刺さってたのを抜いたハズなのにチクンと痛む感覚。

私も離婚当初よりも今頃の方がよく思い出します。
おかしなモノで
離婚した頃のドロドロの思い出よりも
新婚時代であったり、笑い合ってた笑顔の場面なんかが
増えたように感じます。

ただ
憎しみ合ってた時の思い出は思い出しても辛くないんですよね。
シアワセだった頃の笑顔を思い出した方が何百倍も辛いんです。

だからと言って、とは思わないのですが
ただただ切ない

蜜桃
2009年6月29日9:01

かくのさん。
応援ありがとう。
元気だったり、そうじゃなかったり、じわじわゆるゆると回復していきます。

ラクスさん。
ありがとうございます。
やはり何年経っても、ちくちく痛むんですね。
あたらしい恋をして、傍にいるひとに愛されたとしても、
その痛みが消えることはないんだなあ。
離婚の痛みって、一時のことじゃないんだな。
受け入れていくしかないけれど。

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