とあることがあって、ちょっと、混乱している。
ふたりで夜道をあるきながら、わたしはだんだんうつむいてしまう。
いったいどういうことなのか、わからないので、わからない、と言う。
おれにもわからないんだけど、だなんて、あのひとは言う。
うつむいているのはいやだ、と思って、ぐいっと空を見上げる。
台風一過の空に、オリオン座がはっきり見えた。
ふぅん。この街でも、こんなふうに星が見えるんだ。
なんて、それどころじゃないのに、ちょっとぐっときて
「あ、ほら、オリオン座」
って、指さして教えたけれど、あのひとの目には見えないのだった。
「そうか。オリオン座か。どこに見えるの?」
「あそこにみっつ並んでる星があってね、そのまわりにこういうふうにあるの」
「ひとつだけ、見える」
わたしは、泣こうと思えばかんたんに泣ける状況だったけれど、泣かなかった。
「明日また、会いに来てもいいの?」
と、あのひとが言う。
わたしはこんらんしていて、曖昧に頷いて、夜道でわかれる。
ふたりで夜道をあるきながら、わたしはだんだんうつむいてしまう。
いったいどういうことなのか、わからないので、わからない、と言う。
おれにもわからないんだけど、だなんて、あのひとは言う。
うつむいているのはいやだ、と思って、ぐいっと空を見上げる。
台風一過の空に、オリオン座がはっきり見えた。
ふぅん。この街でも、こんなふうに星が見えるんだ。
なんて、それどころじゃないのに、ちょっとぐっときて
「あ、ほら、オリオン座」
って、指さして教えたけれど、あのひとの目には見えないのだった。
「そうか。オリオン座か。どこに見えるの?」
「あそこにみっつ並んでる星があってね、そのまわりにこういうふうにあるの」
「ひとつだけ、見える」
わたしは、泣こうと思えばかんたんに泣ける状況だったけれど、泣かなかった。
「明日また、会いに来てもいいの?」
と、あのひとが言う。
わたしはこんらんしていて、曖昧に頷いて、夜道でわかれる。
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