春を待つ

2011年3月29日 日常
毎日、毎日、ふつうに生きているありがたさ。
計画停電はあるけど、待ってればちゃんとまた電気は点くんだから大丈夫。
この間は部屋の窓から、街中の灯りが消える瞬間を見た。
ラジオから古いロックが流れてきて、一緒に歌った。
この曲が流行っていた頃、時代はバブルで毎日浮かれて遊んで暮らしていた。
電気が足りなくなるなんて考えたこともなかった。
災害が起きて、町ごと失われてしまうなんて想像もしなかった。
おしゃれと恋愛が楽しかった。
きらきらした夜の街が、お酒と音楽が大好きだった。
それが、当たり前の、ふつうの、毎日だった。

今、被災地にいる若い子たちのことを思うと、たまらない。
地震が起きたのは金曜日だった。
デートの予定がある子もいただろう。
会社帰りに春の服を見に行く予定もあっただろう。
卒業式に着るための袴を眺めて、うきうきしていただろう。
ホワイトデーに何をもらえるか、楽しみにしていただろう。
あの週末に、どれだけの結婚式が予定されていただろう。
新しい高校の制服や中学の制服、楽しみにしていただろう。
食べること、生きることが第一なのはわかっているけれど、
自分で選ぶお気に入りの洋服や、
大好きな人から贈られるアクセサリーや、
夜中に友だちや彼と、だらだら長電話することや、
カロリーを気にしながらもやめられない甘い甘いお菓子だって、
若い女の子たちには必要なものなのに。
できるだけ早く日本が復興して、今被災地でがんばっている、耐えている彼女たちに、また笑顔でおしゃれやお菓子を楽しんでもらいたい。

そして、ニュースを見ては胸がつまる思いがするけれど、涙も出るけれど、
わたしは春のお洋服を買い、甘い甘いケーキを食べに行った。
美しいもの、かわいらしいもの、おいしいものを作って、売ってくれる人の暮らしだって、守られなければいけないから。

早く、早く春が来て、桜が日本中をあかるく染めてほしい。
暖かくなって、避難所のひとたちの暮らしが少しでも楽になってほしい。

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