あのひとから、今日もランチのお誘いがあったけれど、
「食欲がないから今日は一緒に行かない。」
って返信した。
あのひとからのお誘いを断るなんて、初めてのこと。
楽しくうきうきとお出かけする気分じゃなかったので。
しばらくして、あのひとがテイクアウトのお鮨を二人分持ってうちへ来た。
ひとりで食べても味気ないからね、と笑って、それから真顔で
「食欲がなくても、少しだけでも食べなさい。後ででもいいから。」
って。
あのひと、時々こういうふうに「~しなさい」っていう言い方をする。
それがわたしはちっとも嫌じゃない。
若い頃のわたしだったら、きっと反発したんだろうけど(笑)。

わたしは、昨日からひとりでたくさん考えたことを、一生懸命伝えた。
混乱してたことを自分なりに整理して、きちんと向き合って、
ふたりでするべきこと、できることを提案して。
あのひともきちんと聞いてくれて、自分の考えを伝えてくれた。
また少し、近づけた気がする。
以前のわたしは、そういうことをきちんとしてこなかった。
言いにくいことは言えず、自分の中に飲み込んで、ひっそりと疲れていってた。
そういうのって、大事なひととの関係をいい加減にしてきたってことだ。
もう同じ失敗はしたくない。
離婚はつらいことだったけれど、そこから学んだことだってあるんだ。

今日は、がんばれたから、わたしは自分を少し好きになれた。
変わってゆく自分が、うれしい。
あのひとに会えて、よかったなあ。。。

こんらんする。

2009年10月9日 恋愛
とあることがあって、ちょっと、混乱している。
ふたりで夜道をあるきながら、わたしはだんだんうつむいてしまう。
いったいどういうことなのか、わからないので、わからない、と言う。
おれにもわからないんだけど、だなんて、あのひとは言う。
うつむいているのはいやだ、と思って、ぐいっと空を見上げる。
台風一過の空に、オリオン座がはっきり見えた。
ふぅん。この街でも、こんなふうに星が見えるんだ。
なんて、それどころじゃないのに、ちょっとぐっときて
「あ、ほら、オリオン座」
って、指さして教えたけれど、あのひとの目には見えないのだった。
「そうか。オリオン座か。どこに見えるの?」
「あそこにみっつ並んでる星があってね、そのまわりにこういうふうにあるの」
「ひとつだけ、見える」
わたしは、泣こうと思えばかんたんに泣ける状況だったけれど、泣かなかった。

「明日また、会いに来てもいいの?」
と、あのひとが言う。
わたしはこんらんしていて、曖昧に頷いて、夜道でわかれる。
雨音で目が覚めた。
連休最終日は、なーんにも予定のない日。
ここのところ、ずっと毎日会っていて、すっかりそのあたたかさに慣れてきてしまったから、昨夜別れるときに、つい弱音を吐いてしまった。冗談めかしてだけれど、引き止めるようなこと言ってしまった。
あのひとを困らせるだけだから、そういうことはしたくないのに。


!!!
と、ここまで書いたら、今、メールが来ました。
今から来てくれるって。
わーん。わーん。うれしい。

続きはまた。
わーん。

--------

続きです。

はーーー。
わたしは、今、すごーくしあわせで、ちょっとさみしい(正直なきもち)。
心の中は、いつも、今も、うろうろ迷って揺れているけれど、あのひとに会えて、たくさん話をして、たくさんあいしあった「今日」は確かなものなので、それでいいんだと思う。
生きてるって、実感。

それにしても面白いのは、何かにつけ
「あ!それ今、わたしが言おうと思ってたことなのにー!」
「え?なんでわかったの?俺が今それを言おうとしてたのにー!」
っていうことが多いことです。
それが嬉しいときもあるけれど、ライブの感想なんかの場合、先に言われちゃうと、ちょっと悔しい(笑)。
昨日もまた、あのひとと一緒にランチ。
それからお部屋でちょっとだけ、ごろごろだらだら。
こころがあたたかくて、しあわせな時間。
でもあのひとが帰って、ぽつんとひとりになったら、がっくりと力が抜けて呆然としてしまう。わたし、こんな状態で大丈夫なんだろうか。
いつかまたひとりになるのに。

夕方からは、某サイトで2年くらい前に知り合った方と、初めて会って飲んだ。
用があって、わたしの住む街に来るというので。
所謂イケメンさんだったけれども、まーったく素敵に思えない。興味ない。
同じ趣味を持つ方なので、話してて楽しくなかったわけじゃないけれど、
わたしは、早くあのひとに会いに行きたいと、そればかり思ってた。

あああ。ほんとにもう、わたし、どうなっちゃうんだろう。
今日は会わない日。
呆然と、何も手につかず過ごしている。
昨日はあのひとと昼も夜も一緒に過ごしたんだから、今日はきちんと自分の生活をしなくちゃ。そう思うんだけど、「いること」に慣れてくると、「いないこと」を受け入れるのが、少しずつつらくなる。
バランス、ちゃんと保たなくちゃね。
基本的に、わたしはひとりなんだから。

朝ごはんを作って食べて、洗濯して、掃除して、語学レッスンに行って、自転車でちょっとうろうろ散歩して、美容院に行って、秋のお洋服を買って、本屋に行って、スーパーで食材を買って、この秋初めての鍋を作って、ふうふう汗かきながら食べた。今からお風呂で半身浴しながら、音楽を聴くつもり。
こうして書いてみると、充実した一日のはずなんだけどなー。さみしい、なぁ。

でも、バランス保たなくちゃ!
ひとりでも元気出さなくちゃ!
またすぐに会えるんだから。
そうそう、買ったお洋服は今度のでーと用。
お洒落して、一緒に音楽を聴きに行くのだ!
楽しいこと考えて、元気出して、早寝するに限る。
明日は火曜日。またあたらしい一日。あたらしい一週間だもの。
せっかくの6連休の一日目だというのに、昨日泣きすぎたせいで目は腫れているし、身体はだるいし(二日酔い・苦笑)、DNを書いたあと、ベッドでぼんやりしていた。
あのひとに会いたくてたまらないけれど、昨夜のおやすみメールが届いたのは、なんと午前4時。とってもお店が忙しい日だったのだ。それに今日は午後から用事があると言っていたから、夜にお店に会いにいくまでがまんがまん。そう思っていたら、11時過ぎにメールが来た。
「おはよう。一緒にランチはどう?」
って。嬉しくて飛び起きて、慌てて用意を始めたけれど、まだお化粧の途中なのに、あのひとがうちに着いてしまった。
部屋に入ってって言うのに、靴も脱がずに玄関先の廊下に寝転んで、あくびなんかして(大きな犬さんみたい。すごくかわいい)、待ってるからゆっくりお化粧しなよって言ってくれて。
「今日、用事があるんでしょう?」
って言うと、
「せっかくのお休み初日に、ひとりぼっちで淋しくさせておくわけにはいかないよ」
だなんて。わーん。嬉しすぎ。

ふたりでまたまた自転車に乗って、ちいさな洋食屋さんへ行く。
某有名ホテルで修行したシェフが、ご夫婦で経営しているお店で、見た目や内装は笑っちゃうくらい安っぽくてセンスがないんだけれど、味は素晴らしかった。
食べながら、あのひとが一番大事だっていう『たくさん、いろんな話をすること』をする。不思議なくらい気を張らずに、あのひとには何でも話せる。
それで、昨日泣いちゃったこと、その理由、そのときの気持ち、全部話した。
あのひとは、黙って聞いてくれたあと、
「そっか、泣いちゃったのかぁ」
って、少し笑って、涙の浄化作用について話してくれた。
そういえば、初めて会った日にも、泣くことについての話をしたなあって思い出した。すばらしい音楽を聴きながら、あのひとは自分が泣いたときのこと、話したんだった。あれからまだたった3ヶ月しか経っていないなんて思えない。

残り時間はあと30分しかないのに、わたしの部屋に寄り道して、コーヒーを飲む。たくさんはぐして、たくさんきすして、たくさん頭を撫でてもらって、わたしはとろとろにリラックスして、あのひとが部屋を出ていくなり、ぱたんとお昼寝してしまった。目が覚めたらもう夕暮れ時で、お布団にくるまったまま、わたしはあのひとの、いくつもの言葉を、何度も反芻した。あまいキャンディ舐めるみたいに。

さあ、今からまた用意して、あのひとに会いに行く。

依存症

2009年9月23日 恋愛
2年前にやめた煙草を、最近また時々吸ってしまう。
バーでのひとり飲みの時には、やはり煙草があると落ち着くので。
せっかくやめたのに、よくないよなぁ…と思ってはいるのだけれど。

あのひとと会う頻度も、あまりにも多すぎるのでセーブしようと思うのだけれど、我慢できなくて会いに行ってしまう。
もうすぐ語学の検定試験もあるし、読みたい本もあるのに、恋愛以外の他の何にも集中できないかんじ。
こんなふうに時間もこころも一心に傾けてしまうの、よくないよなぁ…。
終わっちゃったときに、反動が大きいよなぁ…。
わかっているんだけど、うまくバランスがとれない。
昨夜も遅くまで一緒にいたのに、もうまた会いたい。
どーかしてます、わたし。
さあ、頑張って試験勉強しなくちゃ…。

今日はお互いに一日中休養のはずだった。
わたしは体調があまりよくないし、あのひとは徹夜明けだし。
「お疲れさま。ゆっくりおやすみー」っていうメールをしておいたら、お昼過ぎに「眠れないから、ちょっとそっちに行くよ」って返事が来た。
うううう。う、うれしい。です。こういうの。

甘いつめたい紅茶を出して、ゆっくり念入りに全身マッサージしてあげて、お返しに(?)いっぱい充電してもらって、あのひとの腕の中で、ひんやりした風がカーテンを吹き上げるのを眺めて、もう秋ですなあって言い合う。あー。しあわせ。
自転車に乗って、とっても美味しいもんじゃ焼き屋さんへ行く。いろいろ注文しすぎて、お腹いっぱいになって、ビールも飲んで、どんどんわたし、元気が出てくる。あー。しあわせ。
離れがたくて、開店と同時にあのひとの店に行き、まったりと語りながら飲む。
あああ。しあわせだあ。

今日いちばんうれしかったこと。
あのひとが、「たくさんいろんな話をするのが一番大事」って言ってくれたこと。
からだも、こころも、お互いに満たされてゆくかんじ。
ちょっとずつ変化する、ささやかなこと。
この頃、時折、ぞんざいな言葉遣いされるのが、ちょっとうれしい。

昨夜はバーで、長時間まったりと飲んで過ごした。
外は豪雨。
古い音楽と雨音が混ざって、わたしのこころをきゅんきゅんさせる。
何時間いたって飽きないし、何時間もがあっという間に過ぎる。
深夜、雨が上がった街を、ひとりでふーらふーらとあるいて帰る。
ひとりだけれど、とてもとても満たされたきもちで、あるいた。
じゅうでーん。
あのひとがこの街を案内したいというので、自転車を買った。
歩いてまわるより、うんとテリトリーが広がって楽しいよって言うから。

わたし、自転車は昔から苦手で、もう何十年も乗っていなかったんだけどな。
元夫や、それ以前に付き合ったひとも、大抵
「自転車、買ったらいいのに。便利だよー」
って言ってたけれど、わたしは頑なに
「怖いから、やだ」
の一言で終わらせてたんだけどな。
なんだろうなー。どうしてかなー。
あのひとと一緒に、自転車に乗ってのんびりうろうろする自分の姿が、何の違和感もなくすんなりイメージできてしまい、即座に買ってしまったのだ。
なんなんだろうなー。ふしぎだなー。

というわけで、今日は二人で自転車散歩。
古い建物好きのわたしのために、この街で一番古い銭湯だとか、昭和の風情を残したちいさな商店街だとかに連れてってくれた。
猫がたくさんいる路地や、護岸整備されていない、草が生い茂った川べりの道(可愛い水鳥さんに出会った)、とっても美味しいというお好み焼き屋さん(今度のでーとで行くつもり!)、クロワッサンの美味しいパン屋さん、このあたりで一番安い八百屋さん、手作りのお豆腐屋さん。
あちこち案内してもらって、遅めのおひるごはんは、住宅街の中にぽつんとある古い割烹料理店へ。
窓からちいさな池のある庭を眺めながら、お刺身とビール。
「あ、亀だ。」
「ほんとだ。かわいいねえ。草食べてるよー。」
なーんて、のどかな会話を交わして、わたし、ちょっと泣きそうになる。
ひとりでいるときには「あ、亀だ」って思っても、誰にも言えなかったもの。
亀なんて別に好きじゃないんだけれど、あのひとが面白がって眺めているのを見ていたら、嬉しくなってしまって、今度から亀贔屓になりそう(笑)。

ヨロヨロしながら、あのひとの自転車の後ろを追いかけて、時々振り返ってくれるのが嬉しくて、でも信号の変わり目で置いていかれておろおろしたりして。
汗をかいて、少し日焼けしてしまって、一度転んで足を擦りむいて(苦笑)、長時間うろつきまわってくたくたで、でも、でも、楽しかったーーー!
日曜の夜が好き。

波が寄せて返すように、きもちがとめどなく動く。

一昨日は、どうしてこんなに気持ちが寄り添いあってしまうのかふしぎー、と、うっとり思った。
昨日は、一緒に映画に行ったのに、なんだか気持ちがうまく寄り添いあえなくて、こころが乾いてくるしくなった。
惑うので、今日は会わない。


わたしのしていることは、正しいことじゃない。
ひとさまを傷つけている。
その傷の痛みは、わたしもよく知っている痛みだ。
未来なんか要りません、と言ったところで、認められることでもない。
だけど手放せない。
その堂々巡りが、波のように繰り返すのだ。
手放せない、と言い切ってしまうのなら、もっと腹を括らなくちゃ。
キレイゴトなんか言わないほうがいいんだ。
誹られても顔をあげて、刹那を生きる強さをもつ決意をするしかない。
先週、学生時代の友達と日帰り温泉へ行ったのだった。
結婚して、こちらに住んでいる彼女とは、4年ぶりに会う。
メールに「いろいろ話聞かせてねー」って書いてあったのは、まちがいなくわたしの離婚の顛末についてなので、ちょっとだけ気が重かった。
高校や大学の頃は、お互いの恋愛話を一から十まで逐一報告しあった仲ではあるけれど、話すためには思い出さなければならないし、思い出せばまたこころが揺らぐだろうし。
「まあいろいろあったのよー」で、お茶を濁そうと思って行ったのだが、意外にもわたし、いろいろと語ってしまった。語りながら、ああ、うん、そうだったなあって、少しずつこころの整理ができてくような気さえした。

離婚の理由は、一言では言えない。
じわじわと澱のように溜まっていった小さな不満や失望に、気づかないふりをして暮らしていて、どこの夫婦だってそんなもんだと思おうとしていて、でも、ひとつのきっかけがあり、急速に「ほんとにこのまま、このひとと暮らしていって幸せなのかなあ…」っていう気持ちが、膨れ上がっていったのだった。
きっかけは、わたしの病気。
ひどい痛みで一晩中眠れず、床にのたうちまわっていた朝、元夫は淡々と自分の出勤の支度をしながら、こう言った。
「えー。そんなに痛いのー?仕事行けるの?」
「…仕事、どころか、うごけない…」
「ふーん。じゃ、どうすんの」
「…(痛みで何も言えない)」
「どうすんの。救急車でも呼ぶの」
「…(うなずくだけで精一杯)」
その時、元夫がセットしてたトースターが、チン!と音をたてた。
元夫は悠々とトーストを取り出しながら、
「ほんとに救急車、呼ぶの?」
と、わたしを見下ろしながら、言った。
寄り添って身体をさすってくれるわけでもなく、かがんで顔色を見てくれるわけでもなく、パンを片手にして、立って、見下ろしていたのだ。
3日も前から、ずっと痛みを訴えていたのに。
わたしたちには子供がいないから、老後はふたりっきりで暮らすことになる。
このひととふたりっきりで、老いていくのは、不安だと思った。
10数年の生活の中で、何度も感じてきた、小さなことだけど冷たいところ、どんどん思い出した。

…っていうようなことを、友達に話すと、
「え、理由はそれだけ?」
みたいに言われてしまい、苦笑する。
「まあ、それが始まりで、どんどんこころが離れてって、お互いべつのひとに気持ちが移っちゃったりして、修復しようと試みたけども、だめだったっていうことよ。」
と、その辺りは、さらっと流してしまう。ずるかったかな。
「もしも子供がいたら、それでも別れた?」
「どうかなあ。子供がいたら我慢できた『その程度のこと』なのかもしれないねえ。でも、いなかったからさ。今後何十年も、ふたりで生きてかなきゃいけないからさ。」
38でお見合い結婚し、39で出産し、今は幼稚園児の母となった友達は、ふぅん、と呟いて、黙る。
「ひとりになって、わたし今とっても、お気楽極楽なんだよー。ひとりぐらしが合ってるみたい。しゅーとめの借金も親戚の借金も被って、わたしたち夫婦で返済して、その上毎月10万円の仕送りして、介護したとはいえないけど、毎週末3時間かけてしゅーとめの病院に通って、病院代も葬式代もぜーんぶ払って、ヨメとしての仕事は全うしたと思うもん。もう、いいかなって、思ったもん。」
陽気に、かるーい感じでそう言って、彼女の話の方に水を向けた。
子育ての話、よめしゅーとめの話、夫の愚痴、そういうのを聞いて、笑ってうなずいて、時々自虐ネタ(相手がいてこその愚痴だわねぇ、こいつめー。とか)も盛り込んで、ひとしきりお互いの近況を伝え合ったあとは(って、そこまでに2時間くらい要したわけだけど・笑)、昔話。思い出話。共通の友人たちの消息や、罪のないうわさ話。

そして思った。
あれこれ話題は飛んで、四方山話をたくさんしても、わたしは今の恋愛について彼女には話すことができないんだなって。
他の友達にも、もちろん家族にも、誰にもできない。
この恋愛にわたしは救われて、濃密な幸せを感じているのだけれど、誰にもいえない。
でも、ほんとは誰かに聞いてほしいんだ。
わたしが今感じている幸せや、驚きや、嬉しい困惑やなんかを。
だからこうして過剰なほどに日記に記録しているんだなあ。。。
昨日は休みだった。
雨の中を、あのひとがうちに来た。
肌寒いのでコーヒーをいれて出す。
肌寒いので、たくさんあたためあう。
どうしてこんなにー、と、思う。
さいげんがないので、ちょっとこわい、と言うと笑われてしまった。

今夜とあるイベントに行こうと誘われて、きゅーんと舞い上がる。
予期せぬでーと。
何日も前から楽しみに待ってるでーともいいけれど、こういうのも、いいな。
いちどわかれて、夕方、電車の中で合流。すぐにあのひとを見つけた。
この間のでーとの時は、なかなか見つけられなくて不安だったのに。
どんどん近しくなっているんだなあって、思う。
隣に座り、恒例のごとく、お互いのお洋服をチェックして、誉めあう(笑)。
下町の駅で降りると、雨の中、夏祭りの夜店や山車が出ていて、法被姿のおじさんたちが集会所のようなところで、お酒を飲んでいた。
いい街だねえ、すてきだねえ、と言い合いながらあるいていく。
傘をさしているから、手は繋げず。

混んだ会場でぴったりくっついて座って、ふしぎな音楽を堪能して、とろける。
帰り道、またもや全然おしゃれじゃない小さな中華屋で(そこしか開いていなかったので)、選挙速報のテレビを見ながら、大急ぎで焼きそば食べて地元に戻る。
今から開店する、あのひとの店に行くことになっているのだけど、改札の直前で、
「じゃあ、ちょっとここでいったんばらけるよ。」
って、言って、あのひとは先にどんどん行ってしまう。
ああ、うん、そうだった。
ここでは人目を気にしないといけないんだった。
ちいさなさみしさが、一瞬ちくりと胸を刺すんだけれど、案外おおむね大丈夫な自分が不思議でもある。なんだか、受け入れている。

雨の日曜の遅い時間で、誰もお客は来ず、まったりとふたりで過ごす。
ふいにあのひとが
「前にも言ったかもしれないけど、かなしいことに、永遠ってないからなあ。」
って言う。
「いつかは終わっちゃうんだねえ、って、わたしもいつも思ってる。」
って答える。
こんな時間がずうっと続けばいいのにって、きっとふたりとも思ってた瞬間。
「帰りに、また行ってもいい?」
そう言われて、めろめろに嬉しくなる。

酔っ払って、あまいきもちでこころが満たされて、でもいつだってこころには小さなとげがちくんと存在していて、でも、でも、でも、ゆらゆらと刹那のしあわせを味わっている。
永遠って、ないけどねえ。。。
わたしにとって、火曜日は特別な日になった。
だなんて、ずいぶんのめりこんで、ちょっとばかばかしいくらい。
だけど、やっぱりわたしはどきどきしながら夜道を駆けてゆくのだ。


どこまで

2009年8月20日 恋愛
火曜日の午前中に、メールが来たので
「わたし今日、休みだよ。くる?」
と返信すると、すぐに遊びに来てくれた。
ご近所に住んでるのって、すてきだと思う。
わたしの部屋での定位置とか、すきな飲みものを用意するとか、自転車に乗って汗かいてくるから、すぐに脱いじゃうシャツを受け取ってかけておくタイミングだとか、ちいさなことだけど、あれこれ、どんどん馴染んでゆくかんじ。
胸がちくちくいたむ。
いつまでこういうふうにして過ごせるかなあ。
始まったばかりなのに、ずっといつもそう思ってる。
さんざんあまえてべたべたして、午後、近所の中華屋でやきそばとビール。
夕方になる前に、コンビニの前で手を振ってわかれる。
またねえ。って言い合って。
全然おしゃれじゃない、シックじゃない、ロマンチックじゃない過ごし方(笑)。
でもたのしさで胸がいっぱいになって、わかれたあと、その場に突っ伏しておいおい泣きたくなった。
いつまで一緒にいられるのかなあ。
どこまでイカレてしまうのかなあ、わたし(笑)。
おととい、あのひとから、
「蜜桃ちゃんの好きそうなの、売ってたよ」
って、かわいいバッグの写真が添付されたメールがきた。
すごく嬉しくなって、昨日の仕事帰りに見に行った。
写真のとおりのかわいさだったので買うことにして、
ショップのおんなのこに、写メの話をしたら、くすくす笑って
「ああ!昨日、おともだちに教えてあげたいから、写真撮ってもいいですか?って聞かれたお客様いらっしゃいました。」
って言われて、なんだか照れてしまう。
バッグの他にお洋服も買って、それを着て、夜、会いに行った。
かわいいなあ、似合うなあ、なーんて言われてめろめろに嬉しくなる。

こういうふうにして、お互いの好きなものを知っていくの、たのしいねえ。



疾風怒濤の思いは、少しずつゆるやかに穏やかになってきた。
まったり、ってこういうのなのかしらー。
なんて思いながら、昨夜はわたしの部屋でごろごろべたべたして過ごした。
どうでもいい話をたくさん、大切な話も、少し。
こころにぽっかり空いた穴を、何かで埋めなくちゃ生きていけなかったんだよっていう話。
ああ、うん。そうなのね。怖かったんだね。でもね。ちょっとだけ悶々とする。
ともかく、ヒトハダの威力ってすごいよねえ、と言い合う。
ヒトハダでしか救えない、痛みがあるよねえ、と。

半熟卵みたいにとろとろになって、何も考えずにねむる。
いつかまたやってくるはずの痛みのことなんかには気づかないふりをして、ねむる。
昼間、外で会うのは初めて。
そのひとの乗った電車に、途中から乗って合流する。
それほど混んでもいないのに、なかなか姿を見つけられなくて不安になる。
見つけたら見つけたで、なんだかいつもと違うひとみたいに見えて不安になる。
でも、隣に座って、じんわり体温が伝わってきたら、ゆっくりほどけてく。
お天気の話だとか、今日のお洋服の話だとか、窓外の景色の話だとか。
のんびりしてるうちに、どんどんほどけて、安心になる。

郊外の美術館でゆっくりと作品を見て、好き勝手なこと言い合って、笑ったりうっとりしたりして。
レストランで昼間からワインを飲んで、ミュージアムショップをうろうろして、結局ポストカードを一枚だけ買って。
庭園をのんびりと散歩して、ときどき手を繋いだりして。
帰りの電車では、ちょっとうとうとしたりして。

うーん。これはまさにでーとだ。
こんなことするの、何年ぶりかなあ。
こころが、しっとりと、うるおいました。

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